2005年8月6日、ブラジル中央銀行フォルタレザ支店で起きた高額強盗事件です。
約1億6000万レアル(日本円で約80億円)という被害額はギネスにも認定されていたほどです。
今回は、犯行の手口と衝撃のその後について紹介します。
ブラジル中央銀行強盗事件の計画と準備
実行の3ヶ月前、犯行グループは銀行の2ブロック先の市街地に商業施設を借ります。
その商業施設は、造園業として営業しているように装いました。
造園業にした理由は後にわかります。
犯行グループはこの商業施設から銀行までなんと地下にトンネルを掘って侵入しようと計画を立てたのです。
商業施設から銀行までは約80メートル。
地下4メートルの位置に70センチ四方穴を80メートル掘る。
そうなんです、かなりの量の土が出るんです。
その残土を怪しまれないように運び出すのに「造園業」はこの上ないないカムフラージュになったんです。
現に日々取り除かれる残土を積載したバン (自動車)を目撃した近隣住民は、通常のビジネス活動だと思っていたそうです。
また、トンネルの中は木枠やモルタルでしっかり補強されており、独自の照明や空調設備も取り付けられかなり本格的な作りだったようです。
大胆な犯行
犯行は週末に行われ、厚さ1.1メートルにも及ぶ鉄筋コンクリートを破って金庫室に入りました。
そしてそこに置いてあった廃棄予定の古い紙幣を運び出したんです。
運び出した量は約3.5トン。
相当な時間がかかったと思います。
紙幣も古い紙幣だったため番号から追跡することも不可能でした。
また、犯行が週末に行われていたため、翌週の営業時間に金庫を開けるまでその犯行に誰も気づきませんでした。
ここも犯行グループの計算なんでしょうね。
事件後の捜査
ブラジル連邦警察も威信にかけてこの前代未聞の銀行強盗の解決に挑みます。
2014年4月までに犯行グループ36人のうち27人までが逮捕されてはいます。
しかし、奪われたお金1億6000万レアルのうち発見されたのはおよそ8分の1にあたる2000万レアル(10億円)しか回収されていません。
捜査は現在も進行中です。
主犯格の男たちの不審死
犯人グループ(特に主犯格)の事件後がかなり衝撃です。
まず、事件の首謀者は逮捕され懲役35年の刑が下裏ました。
この首謀者は捕まって良かったんです。
同じく主犯格の男性は事件から2カ月後、リオデジャネイロから300キロほど離れた田舎道で遺体で発見されました。
この男は事件後に誘拐され、身代金約90万レアルを要求され、支払ったにも関わらず、銃弾を撃ち込まれ殺されてしまいました。
またもう一人の同じく主犯格と目されていた男もサンパウロのスラム街で殺害されており犯行グループの主犯格と思われる男が次々と殺されてしまいました。
その他にも事件から1年弱の間で、犯行グループのメンバー6人が誘拐され、凄惨な拷問を受けたと見られています。
この事件には現役の警察官も関わっていたと地元紙で報道され、実際、警察官3人が逮捕されたといいます。
これだけの金額の強盗事件で8分の1しか回収されていなければどこかにお金を隠していると思いますよね。
そのお金を狙った犯行だったのかもしれません。
なかなか日本では考えられない衝撃的な結末ですね。
まとめ
ブラジル中央銀行フォルタレザ支店で起きた高額強盗事件と犯行グループの衝撃的な結末を調査しました。
最後までご覧いただきありがとうございました。